柿渋染めの失敗を防ぐ方法についてまとめました。
柿渋染の失敗を防ぐためのポイント
- 生地を洗濯してアイロンをかけてシワのない状態にする
- 鉄に反応して色が変わるので、プラなどの容器を使用する
- 失敗を防ぐ為、初めは柿渋を水で2:1で薄めて染める
- 干すときは、物干し竿の部分が色が濃くなるので注意
- 希望の色になるまで2度3度染める
- 自分の希望の仕上がりにならなくても楽しむ余裕を持とう
準備が肝心!成功への第一歩
布を染めるためには、下準備が必要です。
清潔な布地とマスキングテープでの保護
初めに生地や服を染める前に、布を洗濯して生地についている汚れや、糊などを落としておく必要があります。
洗濯表示に従って洗濯し、柔軟剤や漂白剤を使用せずに洗いましょう。
そして、服などを染める場合は、染めたくないところにマスキングテープなどで保護してください。
ボタンやポケット、部分的に染めたくない箇所などテープでしっかりと保護しましょう。
布地にマスキングテープを貼る場合は、布地が乾いてから貼ってください。
染色後、テープをはがすときは、生地が傷まないようにゆっくり剝がしてください。
アイロンでの整え方のコツ
洗濯した布や服は、生地を染める前に布地にアイロンをしてください。
その理由は、柿渋を生地に均等に染めるために必要だからです。
生地に適した温度でしっかりを折り目などがない状態にアイロンしてください。
生地にアイロンをしないまま染めるとこうなります。
これは、私が何も考えずに柿渋染めをした結果です。
生地はシワシワで、色むらがあります。写真では薄い色になっていますが、結構色はついています。
均一に染めたかったのですが、アイロンなどせずにシワシワの生地をそのまま染めるとこうなりますので、染める前に生地にアイロンをかけましょう。
ムラ染めを希望される場合は、いいかもしれませんね。
柿渋の選定と品質管理
では、どういった柿渋が良いのでしょうか?
柿渋に違いなどあるのでしょうか?そんな疑問がありました。
どんな柿渋が良いのかは専門の人に聞くのが1番だとは思いますが、自分なりに考えましたので参考程度に読んでください。
質の良い柿渋の選び方
柿渋は、時間とともに劣化していきます。
そのため、新鮮なものを購入するようにしてください。
柿渋を自宅で作る人もいますが、なかなか難しいのでネットなどで手軽に購入しましょう。
私もネットで購入しましたが、サラサラした液体でした。
柿渋は、空気に触れるとだんだんと固まってきてしまいます。
その為、柿渋が余ったら空気に触れないように密閉して冷暗所に保管するようにしてください。
ドロドロと固まってきてしまったら、アルミ鍋に柿渋と水を入れて煮沸すると柔らかくなって塗りやすくなります。
出来ればそうゆう状態になる前に使い切るのが1番ですね。
私は、大きめの1Lボトルで購入したため小さいボトルで購入すればよかったと少し後悔しました。
購入する際には、自分で使い切れるサイズを購入してください。
ちなみに、50cm×100㎝の生地を柿渋原液で使用して200ml~250mlぐらい使用しました。
あまりに濃かったので、水を50ml~100mlぐらい適当に足して染めましたが、染料が余ってしまいました。
柿渋の濃さと色合いの調整方法
2度染めた状態です。
1度目にシワシワだったので、2度目を染めてもシワの状態から改善しなかったけど、少し良くなりました。
アイロンをかけて染めたので、シワにならなかったです。
一部色が濃くなっているところは、物干し竿があたっていた部分です。
光が強く当たったからでしょうか、均一に染まらなかったので、注意してください。
水で薄めてから染めたので、桜色のような仕上がりになりました。
柿渋の濃さは、染める布地によって違ってきます。
柿渋を濃くしたい場合は、希釈せずにそのまま使います。
一方、薄くしたい場合は水を足しながら柿渋の色を薄めてください。
一気に水を足すのではなく、少しづつ足しながら希望の色の濃さになるように薄めてください。
柿渋:水=2:1ぐらいの量がいいかもしれません。
そして、柿渋に布を浸している時間によっても濃さや色合いが違ってくるので、薄く染めたい場合は、柿渋を水で薄めて、浸透時間も長くならないように調整するのがおすすめです。
初めての場合は、生地を小さく切り取って試しで染めてみるのが失敗を防ぐ方法です。
保管する柿渋の塊を防止する方法
長期で保管すると柿渋がだんだんと固まってきます。
2か月以上使用しない場合は、柿渋の容器に水を足して2倍くらいに薄めてから冷暗所に保管してください。
使用する時には、すでに柿渋は2倍に薄めていることを忘れずに使用してくださいね。
塗布のテクニックとムラ防止
柿渋を布に塗る時はどうしたらよいのでしょうか?
色ムラを防止して塗布する方法を考えました。
均一に広げるための道具と手法
均等に柿渋を布に塗布するには、なるべく広い範囲を塗ることが出来る物が必要です。
毛先が柔らかいブラシを選ぶといいでしょう。
塗る場合は、同じ力で一定の方向から塗ることが重要ですね。
一貫した圧力で布に塗るのは難しそうですが、塗っている途中で休憩などせずに一気に仕上げる必要があります。
または、布を回しながら回転させて縫っていく方法もあります。
いつもと違った模様が楽しめるかもしれません。
濃い柿渋の場合の塗布方法
濃い柿渋を塗布する時は、薄めた柿渋から段階的に塗布するのがおすすめです。
それは、急に濃い柿渋を塗ると失敗することがあるかもしれないので、重ね塗りの要領で塗布していきます。
複数回の塗布と乾燥を繰り返して濃さを調整し、理想の色の柿渋に近づけていきましょう。
柿渋は、光の当たり具合で色の濃さも違ってきますので、様子を見ながら塗ることも大切です。
サイズの小さい布に関しては、刷毛で塗った方が均一に染めることが出来ました。
乾燥と色の固定
柿渋を使って染める場合、乾燥させるという事も重要なポイントです。
乾燥の重要性と方法
柿渋は、布に浸透して色を染めるために時間が必要です。
適切に布を乾燥させることによって、柿渋の色が定着するからです。
十分な乾燥がないと色合がまだらになったり、色が薄くなる可能性があります。
乾燥によって柿渋のタンニンが空気に触れて酸化することで、柿渋独特の色合いを表現することが出来るので日に当てて(紫外線を当てることによってさらに色が深くなるので)乾燥させましょう。
日陰に干しても、ゆっくりと発色していくので曇りの日でも染めることが出来ます。
色合いを鮮明にする固定剤・色止めの使い方
一般的に、柿渋染めは色止めの必要はありません。
ですが市販されている定着剤などをしようして色止めをすることも可能です。
柿渋染めで、急速な色の変化を抑えるために「媒染」をすることもあります。
よく言われているのが、ソーダ灰・重曹・鉄媒染・チタン媒染などですが、検索すると説明が出てきます。
ソーダ灰5gに対して水約1Lを混ぜて、媒染したい布を浸して干します。
失敗から学ぶ、自分だけの柿渋染めの魅力
柿渋染めは、自己表現の1つとして魅力的な方法です。
完璧さを求めずに楽しむ心構え
柿渋染めは、手作業で染めるので温かみや個性を感じることが出来るのが魅力の1つです。
1枚1枚染め上げるので、それぞれ違った仕上がりを楽しむ事が出来るのも柿渋染めならではないでしょうか。
すべて同じ仕上がりの完璧さを求めるのではなく、自分の予想した仕上がりにならなくても楽しむ余裕を持てるといいですね。
自己表現としての柿渋染めの魅力
柿渋は、天然由来の成分で布を染めることが出来ます。
化学薬品を使わず環境にも優しいので、持続可能な技法をして注目を集めつつあります。
あまり着なくなった洋服を染めてみたりして、リメイクする方法として使うことも出来ますね。
また、自分なりの表現方法として、柿渋染めを使ってハンドメイド作品を作るのもいいでしょう。
自分自身の個性を生かして、自分でしか表現できない柿渋染を楽しんでください。
まとめ
今回は、柿渋染めの失敗を防ぐポイントについてまとめました。
柿渋染めをするときには、生地を事前に洗ったりアイロンをかけたりと下準備が大切だという事が分かりました。
希望の色にするためには、2度塗りや3度塗りなど重ね塗りをして希望の色にする方が失敗を防げそうですね。
もし、自分の希望通りに染めることが出来なくでも、その仕上がりを楽しむ余裕を持つことも大切ですね。
コメント